
バラはどれも高貴な色をもち、色彩そのものがもつ力を遺憾なく発揮してくれます。情熱をかきたてる深紅、厳格で崇高さを演出する白など、心を酔わせる色彩です。いわば完璧な花ですから、どんな場合でも合います。
クレオパトラは客人を迎えるときに広間にバラを敷き詰め客を陶酔させたといいます。この時代(紀元前50年くらい)、香料摘出技術の原型が見られますが、バラの香を摘出することはできませんでした。そのためバラの花を敷き詰め、色彩と香を満たして楽しんだのです。彼女がただ美しいだけでなく、優雅な色彩と香の演出ができる知的な女性であったことがわかるエピソードですね。