
初期のキリスト教の指導者たちは、バラが異教のヴィーナス崇拝や、ローマ人の馬鹿騒ぎにつかわれた花だというので、バラに宗教的なシンボルを認めようとはしませんでした。しかし、ローマ帝国没落後、次第にバラはキリスト教のシンボルとなり、中世には聖母とバラにまつわる伝説が数多く生まれました。聖母のことを「純潔のバラ」とか「神秘のバラ」と呼ぶようになり、赤いバラは「殉教のシンボル」、白いバラは「純潔のシンボル」となりました。
ローマ・カトリックでは、古くから法王によって祝福された純金のバラを四区節(復活祭の前の40日間)の第4日曜日に、信仰の深い王族、貴族、名門、騎士、文人、司教会や都市に送るようになりました。この儀式の日は「バラの日曜日」とよばれ、1049年に法王レオ9世によってはじめられたと見られています。バラは特権階級の勲章としてのシンボルでもあったのです。